人間的に腐ってきたので山で修行してきた。宝泉寺禅センター体験レポート 中編

宝泉寺禅センター 滝ノ間

前編からの続きです。

受付後のスケジュールとしては、このような感じです。

宝泉寺禅センター 修行のしおり

受付時に集合した滝ノ間で、修行における注意事項や内容、ルールなどの説明を受けます。

宝泉寺禅センター 修行のしおり宝泉寺禅センター 修行のしおり

このしおりの中で特に注意すべきところは、

  • 注意を受けた場合は「はい、ありがとうございます。」と返事すること(特に住職に)
  • 禅堂では一切喋らないこと(後で詳しく説明します)
  • 座禅中は携帯の電源を切る(マナーモードも厳禁)
  • 5分前集合

これさえ気をつけておけば、問題ないと思います。

座禅中は、しーんとしているわけですが、その中でのマナーモードは結構響きます。私のときもそういうケースがあったのですが、住職がキレてましたから(笑)

禅堂というのは、座禅をする部屋なのですが、神聖な部屋みたいなもので、私語は厳禁なのです。ただ、座禅をしているときに住職に姿勢の注意を受けるかもしれません。そのときは、「はい、ありがとうございます。」と言わないといけないので気をつけてください。

施設紹介

ここで、宝泉寺禅センターの施設を紹介しておこうと思います。

前編と少し被りますが、駅から歩いて来たときの入口はこちら。(車で来る場合はここは通りません。)

宝泉寺 禅センター入口

本堂

門をくぐって正面のこの建物が本堂です。本堂では、受付と朝の座禅、講話などが行われます。また厨房もここにあります。宿泊はほとんどの方が禅堂での寝泊まりですが、一部こちらで宿泊する方もいます。(どこで宿泊するかは入山日に説明があり、申し込み時のメッセージなどから住職が判断して割り振っているような話は聞きました。)

宝泉寺禅センター 本堂

どちらかというと不安要素がある方は、本堂になるのかなと推測しますが、詳しいことはわかりません。かく言う私は本堂だったのですが、時期は春先でしたが毛布を2枚着ても寒く、特に顔が寒くて寝れないという、そんな状況でした。でも6畳くらいの部屋で2人で寝るので、比較的寝やすいと思います。
禅堂の場合は、畳1畳のスペースで寝ることになりますので。

また、写真には写っていませんが、左側にはちょっとした庭というか広いところがあり、そこで朝の体操(太極拳)をやります。太極拳といってもラジオ体操の延長線上みたいなものなので、緊張することはありません。前でスタッフの方がやってくれます。

ちなみに朝は5:20起床です。これが辛かった(笑)

それから、本堂の裏側にロッジがあるのですが、女性はそこで全員寝泊まりすることになります。

禅堂

禅堂は2階建てになっており、2階が座禅ができる部屋、いわゆる本当の禅堂です。食事前の座禅や食後の座禅、夜の座禅など、座禅という座禅はほとんどここで行われます。

宝泉寺禅センター 禅堂

建物自体新しく、中も綺麗です。

1階は、食事をする場所、談笑スペース、そしてシャワー室が確か3つあったと思います。

宝泉寺禅センターの特徴の一つとして、長い自由時間があることです。
食事の基本として、朝食と夕食は一切喋ってはいけず、正座なのですが、昼食に関しては正座する必要がなくリラックスして歓談しながら食べることができます。
昼食後から、夕食(17:00)の前の座禅(16:30頃)までは自由時間であり、外出することも可能なのです。
1度入山してしまったら、下界に下りてこれないなんて決まりはなく、京都に観光しに行くこともOKです。

宝泉寺禅センター 1日の修行スケジュール

談笑スペースにはお茶も置いてあり自由に飲むことができます。(使った器は洗って元に戻す必要があります)

シャワーに関しては、1人15分から20分となっており時間帯によって変わります。(自由時間のときは20分、消灯前の時間は15分といったように)
シャワー室にはシャンプーとボディソープは備えつけられてあります。
禅堂の1階、談笑スペースのところにホワイトボードが置いてあり、そこにシャワー使用時間のタイムスケジュールが書いてありますので、希望の時間のところに名前を書いて使う、予約制となっています。

食事に関しては、いろいろ作法があり慣れるまでは大変かもしれません。
この修行体験で難しいものは、座禅と食事のみと言っても良いでしょう。
作法について説明していきます。

その前に、これから出てくる用語や作法について簡単に解説してみます。

用語・作法について

  • 単(たん) 単とは、修行において唯一与えられた自分だけのスペースで、畳1枚の広さです。そこで、座禅をしたり寝たりします。
    起きて半畳、寝て一畳というように、座禅のときは半分ほどを、寝るときは一畳のスペースで事足ります。
  • 合掌 両手のひらを顔または胸の前で合わせること
  • 低頭 頭を下げること
  • 叉手(しゃしゅ) 禅堂に移動する際は手をぶらぶらさせず、胸の前で手を組みます。詳しくはこちら
  • 持鉢(じはつ) 端的に言えば、my食器みたいなもので修行中は同じものを使い続けます。サイズが少しずつ異なるお椀が、確か3つあったと思います。あとはそこに、お箸と風呂敷、ふきんみたいなものが付いて、そのセットを持鉢と言います。
上のリンクは曹洞宗のページで、曹洞宗と臨済宗によって作法や読み方が異なる部分があります。例えば合掌低頭、曹洞宗では「がっしょうていず」なのに対し、臨済宗は「がっしょうていとう」と読みます。ちなみに宝泉寺禅センターは臨済宗です。
宝泉寺禅センターからの夕焼け

食事の作法について

まずは箇条書きにしていくと、

  1. 食事前後に座禅がある
  2. 食事前後にお経を読む
  3. 自分専用の食器、持鉢(じはつ)で食事する
  4. 食べる前に生飯(さば)をとる
  5. 食事中は正座、私語厳禁、音を立てずに食べる

このような流れになっていまして、一つずつ解説していきたいと思います。

まず、1の食事前後の座禅ですが、普段の座禅(30分くらいを数セット)以外に、食事前後に短い座禅があります。
食事前の座禅は、2階の禅堂の入り口手前に持鉢をしまっておく場所があり、そこから自分の持鉢を持って、自分の単まで行きます。

ただ、禅堂というのは神聖な場所ですから、そのまま行ってはいけません。
禅堂の入口に敷居があり、そこをまたがなければなりません。またぐと言っても神社のように大きいものではありません。
その敷居をまたぐ前、言わば禅堂に入るときに合掌低頭をします。(手を合わせてお辞儀をします)
そして、左足から入ります。入ったら合掌のまま自分の単まで直行します。
単に行ったら、またそこで合掌低頭をします。(向かいの人に、私と共に修行をしていただきありがとう、という意味です)
そこでようやく単に座ることができます。

臨済宗と曹洞宗によって単までの行き方も異なりますので、興味がある方はこちらも参考にしてみてください。入堂 臨済宗と曹洞宗の違い

つづいて、2ですが食事前後にお経を読みます。
おっと、その前に食事の席(といっても畳に正座ですが)は、ホワイトボードに書かれてありますので座禅に行く前に確認するようにしてください。
食事前の座禅が終わったら、急いで1階に下りてきて自分の食事の位置につきます。
そして、お経を読み始めます。
お経は笏のような冊子が各自に配られますので、覚える必要はありません。

次に3ですが、お経を読み終えると、風呂敷に包んだ持鉢を広げていきます。(もしかしたら、持鉢を広げてからお経だったかもしれません。。。)

持鉢を広げ、お椀を机に置いていくときも音を立てません。左から順に大きなお椀を置いていき、それぞれにお粥、おかずと沢庵、白湯だったような気がします。(すみません、うろ覚えです。)
お箸の置き方ですが、机にこのように置きます。
お坊さんの食事作法

各テーブルの端からお粥やおかずが入った大きな器が回ってきますので、そこから各自のお椀に取り分けていきます。
取り分ける際は、合掌をしてから取ります。(合掌のみで、低頭はしません。)

また、やかんの白湯をお椀に注いでもらうのですが、左手にお椀を乗せ、右手と左手をくっつける感じで、腕を相手のほうに伸ばし、注ぎやすいようにします。
食事中は喋ることができませんので、白湯の加減は右手で合図をするのです。
相手が注いでいるときにストップをかけるときは、右手を「くっ」と上に上げます。そうすると相手は注ぐのを止めてくれます。

なお、この白湯は食事後のお椀を、沢庵と洗っていくときに必要ですので、あまりに少ないと洗う時に苦労します。

続いて4。全てのお椀に取り分けると、小皿が回ってきますので合掌をし、自分の箸を持ち、お粥の米粒を3粒くらい取り、左手の上で3回くらい箸を水平に回転させた後、箸の先を額のほうに持って行き、小皿に米粒を置きます。

これは何をしているのかというと、仏教の六道の一つ、餓鬼道に常に飢えと渇きに苦しんでいる鬼がいるのですが、食事というものは私たち人間もお腹が空いているわけです。
まして、修行中ですから限られた量の貴重な食事であり、全て自分の分にしたい。でも、その餓鬼にどうぞ食べてください、という姿勢を表すような感じです。

子どものことをガキなんて言ったりしますが、この餓鬼です。ですから、あまり良い言葉ではありません。

最後に5ですが、私語厳禁はもちろんのこと、お椀を置く音や米粒を箸で取るときにお椀に当たる音、食べる音(沢庵のような歯ごたえの良いものは仕方ないですが。。)は立てないようにします。
食事も修行の一つであり、音を立ててしまうということは集中できておらず、乱れがあるということです。

食事の途中で、お代わりが回ってきます。いただくときは合掌、要らなければ低頭します。

沢庵ですが、最後にお椀を洗う用に1枚残しておく必要があり、全て食べてしまわないようにします。

食事の終わりは住職が箸を机に「バシッ」と置いた音が合図で、たとえ途中であっても食べるのをやめなければなりません。(箸を置く音が結構ビビるんですよ(笑))

そのあとは直ちに、お椀を洗っていきますので、一人だけもたもた食べてると気まずいです。
お椀を洗う要領は、沢庵でお椀に付いた食べカスを拭っていき白湯で流し、それをまた違うお椀に移していき、最後のお椀に全部のカスが集まるようになっています。(前の人が先生役みたいになっていますので、基本的にはその人と同じ動きをすれば問題ありません。)

そして、お経を読み食べカスを含んだ白湯を飲み干します。(私はこれが一番苦痛でした。美味しくないですし、なんというかいろいろな思いを飲んでいる、そんな気分でした。)

あとは、風呂敷にお椀をしまっていきます。(お椀のしまい方や広げ方については、入山してすぐレクチャーがあります。ちょっと手品みたいで、慣れるまではややこしいです)

しまい終わったら、全員で起立してダッシュで2階の禅堂に上がるのですが、食事中は正座していましたから、痺れて歩けないんですよこれが。
自分の単まで直行し、そこで座禅をし、そのあとの予定を聞くようなスタイルです。

 

長くなりましたが、中編はこのくらいにして、最後に私が思ったことや同じ修行に来ていた人たちについて、後編に書いていこうと思います。

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